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サプリメントは栄養療法の一つの手段として医療現場でも使われるようになりました。しかし、特定成分を過剰に摂取するとさまざまな健康被害が起きる恐れがあります。また種類が増えるほど飲み合わせは複雑になり、未知の副作用も起こり得ます。日本薬科大学学長で医師の丁宗鐵さんに、サプリの上手な利用法を解説してもらいました。【毎日新聞医療プレミア】
◇思わぬ副作用が見つかる可能性も
サプリメントはどのような目的で使われているでしょうか。利用者の使い方を見ていると、病気予防のためというよりは、病気をなんとか治したいと考えて使う人も多いようです。このようなサプリメントの中には医薬品より高価なものもあります。
サプリメントや健康食品は医薬品ではなく食品ですが、治療目的で購入する人が多いのなら、医薬品と同じように安全性と有効性を科学的に検証する必要があるのではないかと、私は考えています。
サプリメントの扱いは漢方薬と似ています。漢方薬が主に薬局で販売されていた時代、効果や安全性の根拠は、「中国の古典にこう書かれている」「江戸時代から使われている」--という、長年の伝承と経験だけでした。
それが変わり始めるのは、西洋医学を学んだ医師が漢方薬に興味を持ち、使い始めてからです。科学的に検証されるようになって効果が再評価され、医療用医薬品として用いられるようになったのです。そして一方では、知られていなかった副作用も明らかになりました。漢方がたどった歴史からサプリメントのこれからを予想すると、思わぬ副作用が新たに見つかる可能性を否定できないでしょう。
◇副作用を起こした意外な原因
健康食品の副作用による事件はすでに起きています。
今から約30年前の1980年代末、米国で多数の患者と死者を出した「トリプトファン事件」です。米国でトリプトファン(日本の昭和電工が製造)を多量に含む健康食品を摂取していた人に「好酸球増多筋痛症候群(EMS)」が多発。患者は1500人を超え、死者は38人に達しました。日本でも症例が報告されました。
トリプトファンは、体のたんぱく質合成に不可欠な必須アミノ酸の一つ。体内で合成できないため、栄養学的には食事から摂取する必要があるものです。さらに、セロトニンの前駆物質でもあり、不眠やうつ病の改善や健康食品として利用されていました。
EMSは血液中の好酸球が増加し、動けなくなるほど筋肉痛が起きる疾患です。なぜ、トリプトファンでこのような副作用が起きたのでしょうか。
原因は、製造過程で生成された不純物によるものでした。生産効率を上げようとした結果、精製が不十分だったことがその後の調査で指摘されています。事件を受けて当時の厚生省は、特定のアミノ酸を高濃度に含有する健康食品を継続して摂取しないよう通知しました。
◇サプリや健康食品は、科学的な検証が乏しい
サプリメントや健康食品は食品として扱われるため、医薬品と比べると科学的な検証が乏しいように思います。トクホ(特定保健用食品)は、研究が行われてお墨付きとなった食品ですが、医師の目から見ると、比較試験の被験者数や研究項目が少ないように思います。
科学的に安全性や有効性がしっかり検証されていないと、効果があってもなくても、結果は分からないままです。食品ですから、効いたら口コミを宣伝に利用し、効かなかった場合は、期待を持たせるだけの商品になります。それでよいのでしょうか。
◇サプリと医薬品の相互作用も問題
さらに、過剰摂取や飲み合わせ、医薬品との相互作用の問題もあります。
例えば、亜鉛や魚油、脂溶性ビタミンのビタミンAやビタミンDはサプリメントで人気ですが、過剰に摂取するとさまざまな健康被害が起きます。また摂取するサプリメントや健康食品、内服薬の種類が増えるほど飲み合わせは複雑になり、未知の副作用も起こり得ます。
このような有害事象は、医療の専門家でないと判断できません。特定の成分が高濃度に含まれるサプリメントや健康食品は、使い方によっては健康被害が出るものです。研究データをしっかりまとめる必要があると思います。
以下はソース元で
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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