海外アスリートや有名モデルが実践していることで話題になった「グルテンフリー」。
最近はテレビや雑誌などでも盛んに紹介され、「健康的な食事法」とうたわれて日本でも広まりつつあるようです。
元々は小麦の中に含まれるタンパク質に、アレルギー反応や腸の炎症を起こしてしまう人のための食事法ですが、効果が不明なまま、減量や美肌、疲労回復によいとうたわれています。
そもそもグルテンとは何か、そしてグルテンフリーは万人にメリットがあるのか。
詳しく知られていないグルテンフリーについて検証します。
■グルテンフリーが本当に必要な人とは
グルテンは、小麦やライ麦、大麦などの穀物から生成されるタンパク質で、小麦粉などに水を加えてこねることで生成されます。
パン生地の粘りや、スパゲティのモチモチ感はグルテンによるもの。
日本の伝統的な食品であるお麩(ふ)もグルテンの食感を利用した食品です。
グルテンはどちらかというと消化酵素の作用で分解されにくいタンパク質で、十分に消化しきれなかったグルテンによって、消化管内で炎症反応やアレルギー反応を起こす人がいることが知られています。
グルテン関連障害と呼ばれており、3タイプに分けられます。
<セリアック病>
小麦などに含まれるグルテンにより発症する自己免疫疾患です。
消化が十分にされないままのグルテンがペプチド(アミノ酸が複数個つながった状態)のまま小腸粘膜に吸収され、
それを異物と認識する免疫反応によって炎症を引き起こし、消化吸収に重要な小腸粘膜を損傷してしまいます。
栄養を十分に吸収できなくなるため、体重減少、貧血、慢性疲労といった症状を起こします。
症状だけでなく、小腸の細胞などを検査して診断されます。
有病率はヨーロッパでは0.7%ほど、アメリカでは0.4~1%ほどと推定(>>1�されていますが、日本を含むアジアでは比較的少ないと考えられています。
今のところ有効な薬物療法などがないため、セリアック病の人にとってグルテンフリーは健康的な生活を送るために不可欠なものです。
<小麦アレルギー>
小麦アレルギーは、小麦に含まれるタンパク質(主にグルテン)に対して過剰な免疫反応を起こすもので、食べてすぐにじんましんや呼吸器系の症状、アナフィラキシーショックなどを引き起こすことがあります。
小麦やグルテンの除去が必要かどうかは、専門医が負荷試験などをして判断します。
日本人の小麦アレルギー有病率は0.1~0.2%ほどと推定されています。
<非セリアックグルテン過敏症>
セリアック病や小麦アレルギーではないのに、グルテンの入った食べものをとると体に不調が起こり、グルテンフリーで改善することが確認できるものを「非セリアックグルテン過敏症」としています。
最近の報告では、非セリアックグルテン過敏症とされる患者に対し、
グルテン感受性を調べたところ、グルテンによる特別な症状が表れた人は16%しかいなかったことが明らかになりました。
グルテンの有無が分からない食事をした患者に、実際にはグルテンは入っていないのに、
不快な症状がみられたことが確認されており、
実際の患者数は予想より少ないのではないかと考えられています。
今後、グルテンが体によくないというイメージが一般に広がると、心理的な影響で、
小麦製品を食べると体の不調をおぼえる人が増えるかもしれません。
関連ソース画像
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2018/05/14/20180514med00m010007000p/9.jpg
毎日新聞「医療プレミア」
http://mainichi.jp/premier/health/articles/20180514/med/00m/010/006000c
続く)
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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