【元SDN48・大木亜希子(作家・ライター)】「元アイドルって請求書も書けないんだ」と言われたあの日、私の魂は死んだ [少考さん★]
1: 少考さん ★ 2021/02/21(日) 03:15:35.17 ID:CAP_USER9
「元アイドルって請求書も書けないんだ」と言われたあの日、私の魂は死んだ | ハフポスト
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_601ca743c5b68e068fbd046d
私が作成した請求書に不備があり、得意先の男性からメールで指摘を貰ったのだが、その際こんな言葉が添えられていた。もちろん、彼は軽いジョークのつもりで言ったのだろう。
しかし、私は突然の言葉に打ちひしがれた。
これまでの人生が走馬灯のように蘇り、すべて否定された気持ちになる。
おそらく彼にとって私は、「書類作成を間違えた27歳の取引先社員」ではない。
「書類作成さえ満足にできない27歳の元アイドル」という、好奇の目でみることのできるサンプルなのだ。
思わず異議を唱えたい気持ちになるが、黙って謝罪する。
その夜、私は実家の母に電話をかけた。
愚痴を聞いてもらいたかったのである。
狭いアパートの一室で財布に2千円をしまいながら、惨めな気持ちで涙が出る。
その時、ふと「元アイドルは請求書さえ書けない」という言葉がフラッシュバックした。
なぜ私は、あの時「過去のキャリアではなく、今の私を見て下さい」と強く言い返せなかったのだろう。
理由は、なんとなく分かった。
私自身も中途半端な将来を漠然と描く自分に対して、自信が持てなかったのだ。
だからこそ相手に揶揄された時、毅然と言い返すことができなかったのだと思う。
「元アイドル」という十字架が、時にはセカンドキャリアを歩むうえで耐え難い色眼鏡になること。
その事実に辟易としながら、一方では自分自身に過度な期待もあって処理しきれていない。
そして、そんな時に自分のキャリアを揶揄されたことで、ますます言葉の呪縛に囚われたのかもしれない。
それは、会社員時代の得意先も、お酌を要求してきた男性も、総じて「悪気はなかったのではないか」という仮説である。
おそらく、そこにあったのは本人たちさえ気づいていない“一抹の優越感”だけではないか。
「元アイドルは書類ひとつ作れない」とか「自分の職場でお酌してほしい」という都合の良い願望を叶えるため、彼らにとって私という人間は存在していたのかもしれない。
その無邪気さに弄ばれるかたちで、心は疲弊してしまった。
もはや、私がお酌したかったのはビールではない。
それを知ることが出来ただけで、私は書き手として収穫があったように思う。
古い価値観と偏見が、抜本的に変わっていくことを切に祈る。
そして、この場を借りて「私を変えてくれた」2人の男性にはむしろ礼が言いたい。
自分に自信が持てるように、試練を与えてくれてありがとうございます、と。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_601ca743c5b68e068fbd046d
「たとえ悪気はなかったとしても、これから私は心が死ぬサービスはしない」。「元アイドル」という経歴をもち、現在、フリーで作家・ライターとして活躍する大木亜希子さんが、覚悟をもってそう決めた理由とは?
2021年02月19日 07時30分 JST | 更新 2021年02月19日 11時34分 JST
「元アイドルって、請求書もマトモに書けないんだ。可哀想www」
SDN48というアイドルグループ卒業後、一般企業に転職して2年が経ったある日の出来事である。
私が作成した請求書に不備があり、得意先の男性からメールで指摘を貰ったのだが、その際こんな言葉が添えられていた。もちろん、彼は軽いジョークのつもりで言ったのだろう。
しかし、私は突然の言葉に打ちひしがれた。
これまでの人生が走馬灯のように蘇り、すべて否定された気持ちになる。
私の前職がアイドルであることと、請求書にミスがあることは、はたして関係あるのだろうか。
おそらく彼にとって私は、「書類作成を間違えた27歳の取引先社員」ではない。
「書類作成さえ満足にできない27歳の元アイドル」という、好奇の目でみることのできるサンプルなのだ。
思わず異議を唱えたい気持ちになるが、黙って謝罪する。
その夜、私は実家の母に電話をかけた。
愚痴を聞いてもらいたかったのである。
「もしもし。今日、取引先の人に、アイドルだったことを馬鹿にされてさ」
「どんな仕事でも、どんな年齢でも、その時々で誇りを持って役割を全うしたなら、そこから先、何を言われたとしても恥じることはないでしょう」
(略)
しかし、定職を辞めて貯金が底を尽いた私は、もはや背に腹はかえられなかった。
狭いアパートの一室で財布に2千円をしまいながら、惨めな気持ちで涙が出る。
その時、ふと「元アイドルは請求書さえ書けない」という言葉がフラッシュバックした。
なぜ私は、あの時「過去のキャリアではなく、今の私を見て下さい」と強く言い返せなかったのだろう。
理由は、なんとなく分かった。
私自身も中途半端な将来を漠然と描く自分に対して、自信が持てなかったのだ。
だからこそ相手に揶揄された時、毅然と言い返すことができなかったのだと思う。
「元アイドル」という十字架が、時にはセカンドキャリアを歩むうえで耐え難い色眼鏡になること。
その事実に辟易としながら、一方では自分自身に過度な期待もあって処理しきれていない。
そして、そんな時に自分のキャリアを揶揄されたことで、ますます言葉の呪縛に囚われたのかもしれない。
(略)
私は「お酌」しないし、心が死ぬサービスはしない
こうして幾度か分かり合えない悔しさを重ねるうち、ひとつの説に辿り着いた。
それは、会社員時代の得意先も、お酌を要求してきた男性も、総じて「悪気はなかったのではないか」という仮説である。
おそらく、そこにあったのは本人たちさえ気づいていない“一抹の優越感”だけではないか。
「元アイドルは書類ひとつ作れない」とか「自分の職場でお酌してほしい」という都合の良い願望を叶えるため、彼らにとって私という人間は存在していたのかもしれない。
その無邪気さに弄ばれるかたちで、心は疲弊してしまった。
もはや、私がお酌したかったのはビールではない。
ジェンダーバイアス、そしてアンコンシャスバイアスについて考えてもらうため、氷水でも良ければ喜んで注ぐから目を覚まして欲しかった。
このような出来事が、新しい時代にまだあるということ。
それを知ることが出来ただけで、私は書き手として収穫があったように思う。
古い価値観と偏見が、抜本的に変わっていくことを切に祈る。
そして、この場を借りて「私を変えてくれた」2人の男性にはむしろ礼が言いたい。
自分に自信が持てるように、試練を与えてくれてありがとうございます、と。
※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。
続きを読む
Source: 生活・健康・医療NEWSまとめ
コメント