(CNN) 交通量が多い都会の道路を長時間歩くウォーキングをしても、健康効果はほとんどない――。英国の研究チームが5日の医学誌ランセットにそんな研究結果を発表した。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームは主に60歳以上の人を対象に、ロンドン市内の排ガスが多い道路沿いでウォーキングをした場合と、公園でウォーキングした場合の健康効果を比較した。
その結果、公園の方が健康効果が高かったのはもちろん、道路でのウォーキングには、心臓や呼吸器の健康を増進させる効果はほとんどないことが分かった。これは、排ガスにさらされることによって、運動が心肺機能を増進させる効果が妨げられるためだという。
「歩く時は気道が広がり、血管が拡張して、その効果は数日間続く。だが大気汚染がひどい場所では、そうした作用がずっと小さくなり、運動の効果はほとんどなくなる」。インペリアル・カレッジ・ロンドンのファン・チャン氏はそう解説する。「汚染のひどい場所で運動すると、吸い込む空気が増え、肺に到達する粒子やガスが増える」
調査では60歳以上の119人を健康状態によって3グループに分け、ロンドン中心部の繁華街にあるオックスフォード・ストリートと、1.6キロほど離れた公園ハイドパークでウォーキングしてもらった。
オックスフォード・ストリートを通行できる車両は、主にディーゼル燃料を使うバスとタクシーに限られる。ロンドンの大気汚染は2017年に入ってわずか5日で規制値を超えていた。
ハイドパークでウォーキングした人は全員が、肺機能の改善や動脈硬化の改善といった効果が、最大で運動後26時間継続した。
一方、オックスフォード・ストリートを歩いた人は、肺機能はわずかしか改善せず、動脈は硬化が進んでいた。これはディーゼル車が排出する二酸化炭素や微小粒子状物質を吸い込んだことが原因と思われる。
特に慢性閉塞性肺疾患を抱える人がオックスフォード・ストリートを歩くと、気道が狭くなって動脈硬化が進むことが判明。咳やたんの増加、息切れなどを訴える人も多かった。
「緑の多い場所や公園で運動場所を見つけられなければ、屋内で運動した方が良さそうだ」とチャン氏は助言している。
ただ、幅広い年齢層を対象にした別の調査では、大気汚染が深刻な場所で行っても運動効果はあるとも報告されている。
英ケンブリッジ大学の2016年の発表によると、ロンドンでウォーキングやサイクリングを行った場合、大気汚染のリスクをしのぐ健康効果が確認された。世界最悪の大気汚染都市とされるインドのデリーでも、1週間に5時間以内のサイクリングであれば、大気汚染のリスクが健康効果を上回ることはないという。
ケンブリッジ大学の研究者はチャン氏の調査について、「この調査は運動の短期的な影響に着目しているが、数カ月から数年単位の長期的な影響についても調べる必要がある」と指摘している。
「緑の多い場所や公園で運動場所を見つけられなければ、屋内で運動した方が良さそうだ」とチャン氏は助言している
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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