牛乳パックで目指した「脱プラ」
7月1日からプラスチック製のレジ袋の有料化が義務づけられることから、全国の小売店や飲食店では、一足早く有料化に踏み切ったり、義務化の対象外となるバイオマス素材を25%以上配合したレジ袋に切り替えたりするなど、対応に追われている。
「脱プラスチック」をめぐる取り組みは、さまざまな分野に広がっていて、学校給食の分野でも動きが出ている。
給食で出てくる牛乳パックは、ストローを飲み口にさして飲むタイプがこれまで一般的だった。
パック自体は紙製だが、このストローはプラスチック製品だ。
そこで、日本製紙は6月23日、簡単に開封でき、ストローがなくても飲むことができる牛乳パックを新たに発表した。
1リットルサイズの大きな牛乳パックの場合は、ストローなど差さずに、注ぎ口を手で開けている。
しかし、実は小さいサイズの牛乳パックは、同じような開け方が出来ない構造になっている。
一見すると1リットルのものと同じ形状をしているように見えるが、上部の三角形部分が小さいため、同じように開けることができない。だから、飲むためにはストローが必須だった。
日本製紙では、ストローそのものが不要となることを目指した。
今回、児童や生徒がこの三角形の部分に指を入れて、簡単に開けることができるパックを開発したという。
秋頃から学校への導入をめざしていて、今後市販の小さいサイズの飲料パッケージにも対応したいということだ。
「紙ストロー」から「ストローレス」へ
日本製紙によると、全国の学校給食で1年間に出されるパック牛乳は約14億個。
パック1つにつき、1本0.5グラムのストローが付いている場合、1年間に約700トンの樹脂を使用していることになるという。
このため、例えば学校給食で1000万本のストローを廃止することができれば、ペットボトル約50万本相当にあたる、約5トンの樹脂を削減できることになるそうだ(仕様による)。
日本製紙で取り扱うパックは、給食用のパック牛乳の容器シェアのうち、およそ半分を占めているという。
「脱プラスチック」が各地で進む中、日本製紙は、紙ストローの製造・販売を、これまでに解決策の一つとして行ってきた。
しかし、今回の開発で「ストローレス」という新たな解決策を提案していく考えだ。
ストローをめぐっては、大手コーヒーチェーンの「スターバックス」が2020年1月から一部店舗で紙ストローを採用したほか、スウェーデン発祥の家具店「IKEA」では、食品などを小分けする保存袋の素材を、プラスチックからサトウキビに変えるなど各社の動きが進んでいる。
7月からレジ袋が有料となることで、こうした動きがさらに加速するかが注目となる。
(フジテレビ報道局経済部 奥山未季子記者)
FNNプライムオンライン
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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