すでにコオロギは日常的食材として浸透している
カナダの食品流通最大手のロブロウズがこのほど、
コオロギを砕いた粉末を自社ブランドに加え、全国の店舗での販売を開始した。
全国に2000以上あるロブロウズではこれまで、
トロントの1店舗の小さな「代替プロテインコーナー」でのみ昆虫の取り扱いがあったが、
自社ブランドでの昆虫製品はこれが初めて。
■昆虫食の土壌はすでにできていた
カナダはオンタリオを本拠地とするロブロウズは、
比較的廉価な自社ブランド「プレジデント・チョイス」でよく知られている。
これまでもカナダではミールワーム(甲虫の幼虫の総称)やコオロギのミートソースや、
ハニーマスタード味のコオロギの丸焼きスナックなどが商品化されているが、
全国レベルのスーパーでコオロギ製品が常備されるのは初めてという。
外食産業でも、数年前にすでにバンクーバーでコオロギピザや、
トロントでタランチュラのてんぷらやコオロギの串焼きを供する店が登場している(globalnews)。
そのような動きを踏まえてロブロウズは、自宅で日常的に使うほど、
コオロギはカナダ人のあいだに浸透したと判断したようだ。
「業界のリーダーとして、
コオロギ粉を簡単でアクセスしやすい形でカナダ人に届ける先駆者になりたかった」と、
スポークスウーマンのキャサリン・トーマスは語る(CBC)。
■どんな料理にも使える
プレジデント・チョイスのためのコオロギを生産するのは
オンタリオ州を拠点とするエントモ・ファームで、コオロギやミールワームを使用したオリジナル製品も生産している。
コオロギ100%のコオロギ粉は、単純に小麦粉の代用品として、どんな料理に使っても相性がいいようだ。
プレジデント・チョイスのウェブサイトでは、コオロギ粉を使ったカレーやチョコレートバーなどのレシピも紹介している。
エントモ・ファームの共同創始者ジャロッド・ゴールディンは、ヨーグルトに振りかけて食べるという。
少量ならほとんど邪魔をしない味だが、多めに使うと「とても素敵な、土のような、ナッツのような、
マッシュルームのようなフレーバーがある」そうだ。
■単なる代用プロテインではない
Entomophagy「昆虫食」はこの2、3年で急激に注目されるようになった。
ヨーロッパでも、何ともいえない表情でコオロギを試食する市民の様子がニュースで紹介されるようになってきた。
本誌米国版でも昨年、フィンランドの食品大手が売り出したコオロギパンを紹介している。
カルシウム、鉄分、ビタミンB12などが豊富といわれるコオロギ、ひいては昆虫全般だが、
単なる代替プロテインとして注目されているわけではない。食肉用家畜に比べ、
その飼育には必要とされる水、餌、土地が少なく、また温室効果ガスの放出が少ない。
また、国際連合世界食糧計画(WFP)の2015年のレポートスによると、世界の約8億人が、
健康で活動的な生活を維持するのに必要な栄養を補える食料を得られていない。
一方で世界の人口は2050年までに90億人にまで膨れ上がると予想されている。
食料問題の解決策としても、昆虫食は注目を浴び、研究され始めている。
2013年の国連食糧農業機関(FAO)の報告書によると、人類はこれまで1900種類以上の昆虫を食してきたという。
たとえば、日本も含め、イナゴやその他の昆虫類は世界の多くの地域で古くから食されてきた。
昆虫食というとまだ抵抗を感じてしまう場合もあるだろうが、姿形はエビなどの甲殻類と大差ない。
ここまで実際に浸透してきた以上、マインドセッティングを変える必要があるのかもしれない。
ニューズウィーク
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9727_1.php
続きを読む
Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
コメント