Exploratory study on the role of emotion regulation in perceived valence, humour, and beneficial use of depressive internet memes in depression | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-020-57953-4
Depression memes may be a coping mechanism for people with mental illness
https://theconversation.com/depression-memes-may-be-a-coping-mechanism-for-people-with-mental-illness-129847
インターネット・ミームのほとんどは軽く明るい冗談ですが、中には死や自殺、孤立、絶望といったネガティブな要素を扱った、「抑うつのミーム」と呼ばれるミームも存在します。イギリスのシェフィールド・ハラム大学で心理学の講師を務めるUmair Akram氏らの研究チームは、抑うつのミームがインターネット上で一般的になっている現状を見て、「抑うつ状態の人は抑うつのミームをどのように捉えているのか?」を調査しました。
まず最初に、研究チームは18歳から56歳の被験者200人に対してアンケート調査を実施し、抑うつの傾向に基づいてグループ分けを行いました。実験では、200人のうち43人において特に抑うつの症状が強く見られたそうです。
被験者らは、一般的なトピックに関連する中立的な26個のミームから、ネガティブな事柄に関する26個の抑うつのミームまで、合計で52個のミームを見せられました。研究チームは被験者に対して、ユーモア、自身との関連性、他者との共有性、気分の向上といった要素に基づいてミームを評価するように依頼し、最後に自身の感情を制御する方法についてのアンケート調査に回答してもらいました。
たとえば、実際に被験者らに見せられた「中立的なミーム」の1つがこれ。「飼い主がカモにエサをあげているのを見た飼い犬が、自分もカモのふりをしてエサをもらおうとしている」という冗談です。
また、抑うつのミームとしては以下のようなものが挙げられます。これは「自分の人生をめちゃめちゃにしたやつを見つけたが、そいつは自分自身だった」という冗談で、ネガティブなニュアンスが漂うものとなっています。
Akram氏によると、抑うつ状態のグループは通常のグループと比較して、抑うつのミームに対してより自分との関連性が強く、より面白いと評価していることが判明したとのこと。また、抑うつ状態のグループは「他の抑うつに悩む人の気分を向上させるために抑うつのミームは有効である」と考えましたが、通常のグループは抑うつのミームが抑うつ状態の人の気分を向上させるとは考えていないこともわかったと指摘しています。
さらに、自身の感情を上手く制御できない抑うつ状態の人が、最も抑うつのミームを楽しんでいることも判明したほか、抑うつ状態のグループは「他の人と抑うつのミームを共有したことがある」と報告する割合が高かったそうです。
今回の調査結果から、Akram氏は「抑うつのミームは抑うつ状態の人がネガティブな感情や思考の意味を変え、悪い経験のいい面を見つける助けになるかもしれません」と述べています。健康な人は、ポジティブな考えやイベントに集中することでネガティブな気分を抑えますが、抑うつ状態の人は暗いユーモアによって自身に起きた悪い経験を見直し、自身の認識を再評価している可能性があるとのこと。
また、抑うつ状態の人々は他人との社会的関係を結ぶことが困難になりますが、他の抑うつ状態の人々と抑うつのミームを交換することで、抑うつ状態の人々が社会的関係を維持したり、孤独感を和らげたりする効果も見込めるとAkram氏は指摘。
抑うつのミームは、その内容が暗いものであるため、「抑うつ状態をより悪化させてしまうものだ」と非難されることもあります。しかしAkram氏は、「私たちの研究は、抑うつのミームが抑うつを経験している人にとって、実際には逆の効果があることを示しています。抑うつのミームは人々の憂うつを和らげ、コミュニティの感覚を維持するために役立ちます」と述べました。
https://gigazine.net/news/20200213-depression-memes-coping-mental-illness/
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Source: ダイエット速報@2ちゃんねる
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